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ヒトの意識は3秒ごとにリフレッシュされる

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ヒトの意識は3秒ごとにリフレッシュされる

投稿 by kusamura on Wed May 20, 2015 10:08 pm

(第2章4項) ヒトの意識は3秒ごとにリフレッシュされる  (『一年は、なぜ速くなるのか』著:竹内薫(2008,青春新書)より         [(*)印と太字=引用者] 略は「__ 」(アンダーバー)
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「あなたは、自分が識別できる一番短い時間と一番長い時間がどれくらいだと思いますか?」  __
その答えはドイツの生物学者、エルンスト・ペッペル博士が教えてくれる。

 ペッペル仮説 人間が感知できる一番短い時間は 百分の三秒であり、
           人間が感知できる一番長い時間は 三秒である。


 いったいそんなこと、どうしてわかったんだろう?
(*人間が感じる) 一番短い時間は、人間に光や音の情報を与え、反応時間をはかったのだ。
といっても百分の三秒後に反応するということではなく、
百分の三秒、百分の六秒、百分の九秒……という具合に
百分の三秒おきに反応が見られるというのだ。__ 
                                  
被験者に、音や映像や皮膚への刺激を2回つづけて与える。__
連続して光を見せたり、音を聞かせたり、皮膚を触ったりするのだ。
そのとき、2回の刺激の感覚が短すぎると、われわれはそれが一回、つまり同時だと感じてしまう。__   
刺激の感覚を徐々に長くしていくと、あるとき「あ、2回の刺激だ」とわかる瞬間があるという。
その時間間隔が百分の三秒なのだ。__
百分の三秒より短い時間間隔は、人間にはわからない

もっと厳密な実験としては、
被験者にヘッドフォンをつけてもらい、右耳だけに音が聞こえるようにし、
また視線の少し右側でライトが点滅するような状況をつくる。
右手で「音が鳴った!」、「ライトが点滅した!」という二つのキーのどちらかを押してもらう。 __    
ペッペル博士は、この心理学的にかなり綿密に設計された実験により、
人間の反応速度が、百分の三秒の倍数になっていることを実証したのだ。      __

(P62~)
さて、次に、(*人間の識別できる)一番長い時間が三秒、という点について考えてみよう。
(略)ペッペル博士がいっているのは、集中が持続する時間のことであり、([size=9]太字=原著傍点

人間の意識がいちどきに三秒程度しか持続しないことは、次のような図を眺めることで証明できるのだという。

                    
  この図は、心理学者のネッカーが考案した図だが、じっと眺めていると、立方体の見えかたが変わってしまう。 
それまで上の面だと思っていた四角形の左側の部分が、いつの間にやら側面に変わってしまう。実に不思議だが、
ポイントは、いくら頑張ってひとつの見えかたを保とうとしても、数秒たつと自然に別の見えかたに切り替わってしまうことだ。
  ウソだと思うなら、ここで図を十秒くらい、じっと眺めていただきたい。
  いかがでしょう? どんなに頑張っても、十秒以上同じ立方体の見えかたのままだった人はいないはず。__

パソコンの画面は、一秒間に60回から120回ほど書き換えられ、リフレッシュされている。
あるいはTVの画面だって(パソコンとは方式が異なるが)常にリフレッシュされている。
それと同じで、人間の意識は三秒ごとにリフレッシュされるのだ

 ではどうして、人間は三秒ごとに意識が切り替わっているのに気づかないのかといえば、
人間の脳が三秒ごとの意識をうまくつなぎあわせ、
切れ目のない過去から未来への流れと錯覚させる
から
なのだ。__

比喩的な説明になるが、人間の意識の一コマ一コマがつながって流れること、
それは映画の一コマ一コマがつながって途切れのない映像になるようなものだ。
 一コマというのは、人間の意識が「ひとまとまり」として認識できる時間の上限だ。
あまりに長い時間がかかると、人は、それを「一コマ」としてまとめることができなくなってしまう。           

 (*ペッペル博士の)わかりやすい実験をもうひとつご紹介しておく。
メトロノームのカチッ、カチッという音を二つづつ「ひとまとめ」にするのである。
|カチッ・カチッ|カチッ・カチッ|カチッ・カチッ|・・・と、2つずつがグループだと考えるのだ。
そんなこと、簡単にできると思われるかもしれない。だが、__音をひとまとまりとして感じることができるのは、
メトロノームの数字を40(*メトロノームの速さを表す数字)にセットしたあたりが限界で、
「カチッ」と「カチッ」の間隔は約1・5秒なのだ。

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 まとまりを 主観的につくる時の限界が、ほとんどの人では2.5秒から3秒ぐらいであることが観察される。
 ちなみにこの限界は、実験心理学の創始者であるヴィルヘルム・ヴントによってすでに発見されていた。
 この発見によって、なぜ市販のメトロノームが40以下にセットすることができないのかという問いに答えることができるだろう。
 これ以上遅いテンポでは、主観的なまとまりの形成がますます難しくなり、
 おそらく音楽的経験とは無関係なものとなってしまうからである。  
 

       (「意識のなかの時間」エルンスト・ペッペル著 田山忠行・尾形敬次訳 68ページ) (太字=著者竹内薫による)
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  3秒というのは、人間が「今」としてひとまとまりに統合できる時間の上限なのだ。__
ペッペル博士の3秒仮説を裏付けるわかりやすい例をいくつか挙げておこう。

(太字=原著のまま)
(その一)外国に行って、喫茶店で知らない言葉に耳を傾けてみると、ほぼ3秒ごとに発言が途切れることがわかる

(その二)古今東西の有名な音楽のテーマは、ほぼ3秒間という長さになっている。

(その三)その他の身近な例を自分で考えること!


 3秒という数字は平均値であり、多少個人差があるそうだ。 
ペッペル博士によれば、若い人たちは3秒程度、お年寄りは5秒程度というばらつきがあるらしい。
 この最後の点は、「一年は、なぜ年々速くなるのか?」という本書のテーマからすると、案外無視できないかもしれない……。 
                                                  (※第2章i引用了) 

kusamura
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第4章より

投稿 by kusamura on Wed May 20, 2015 10:08 pm

(人間の意識は3(老人では5)秒ごとに切り替わる、という第2章に関連した4章の部分
(『一年は、なぜ年々速くなるのか』竹内薫、青春新書 p161~)

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 スケーリング仮説
  時計の振り子のように、
            われわれの「体内時計」の時の刻みも、身体の大きさに比例する。

                   (比例というのは対数目盛りのグラフ上で)
 

  この仮説は、身近な動物
(※例えばペット)を見ていても正しいように思われる。
実際、生きものといえども、物理のスケーリングの法則にしたがうほうが自然だ。
身体が小さい子供の「体内時計」は チクタク であり、
身体の大きな大人の「体内時計」は チークターク と時を刻む。子供は大人の支配する世界で生きているため
チクタクの自分は チークターク の環境に合わせる必要があり、
周囲の大人たちがスローモーションのように見え、イライラし、我慢できず、時間はたっぷりある。子供の一年は決して速くない。
 長ずるにしたがい、われわれの体内時計は、周囲と同じペースになってしまう。
それまでたっぷりあったはずの時間はどこかに消えてしまい、大人の一年は、子供のころとちがって速く終わるようになる。
  この仮説は、あくまでも「周囲との比較」において感じる時の流れについて語っていることに注意してほしい。


 ペッペル仮説  若者の「今」は3秒くらいだが、歳をとるとともに「今」は間延びして
           5秒くらいになる


  検証というと大げさだが、歳とともにネッカー立体が反転するまでの時間が長くなる傾向は確認できた。
無論、ペッペル博士自身が、数多くの検証を行っており、この「3秒から5秒へ」という変化は充分に信ずるに足るものだ。
(では、子供では2秒なのか、という疑問は残るが!)
  
 これはつまり、大人になってからのチークタークが、歳とともにさらに間延びして
チーークターークになる、ということだろう。
だとしたら、スケーリング仮説と同様、働き盛りの人々の中で、年老いてゆく自分は、
周囲がクイックモーションの世界に感じられ、あっという間に、一年が過ぎてゆくように感じられるにちがいない。
 この仮説も「周囲との比較」によって初めて意味を持つようになる。


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(引用終わり)
[color=green]

 

kusamura
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