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(第二章)「連関論」~呼吸器系の発生-〈内コミュニケーション

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(第二章)「連関論」~呼吸器系の発生-〈内コミュニケーション

投稿 by kusamura on Thu Jul 09, 2015 4:34 pm



              (一)

わたしたちは
生誕のあと一年未満の乳児の過程この過程に異和がうまれることが、乳児の前言語の状態になにをもたらすか
そして前言語の状態とはほんとはなにか
について、もうすこし繊細にかんがえてみたい。


そのために 乳児が母親〈代理〉と栄養からもエロスからも接触するただ一個の器官
といっていい 口(腔)、口(腔)のなかの舌、その感覚(味覚)、歯それにつづくのど、食道管、気管 
などの 機能の意味をはっきりと手に入れておきたい。
それと一緒に
ロ(腔)の周辺におかれた 鼻(腔)の気道や 嗅覚器としての機能 もまた ひとつの意味をもって、
前言語の状態、その異常にかかわりをもつとみなすことにする。

これらの知識について、すくなくともわたしはほとんど無能にひとしい。

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連関論 一 (口腔の発生)

投稿 by kusamura on Thu Jul 09, 2015 4:36 pm






発生学的にいえば
ロ(腔)は 鰓腸の入口にあたっていて、身体の表面の皮膚が入りこんで凹んだところだ。

そしてこの口(腔)の内部で
体壁の筋肉に持ち上げられてができた。

乳児はこの舌をまるめて 母親の乳首に吸いつき、
乳汁を吸いだして食道のほうへ呑みくだす。


舌の表面には昧覚を感じる味蕾があつまっていて、その昧の感覚を受けいれる、
いやいや受けいれる、受けいれを拒絶するなど、
受けいれと拒絶のあいだにあるさまざまな味覚的な反応をしめすことになる。


  乳児の口(腔)と舌、もっている感覚(昧覚)が
そのまま 性についての感覚(エロス覚) と融けあう理由は発生的にどこにもとめるべきか。

このばあい、じかに性の感覚の対象になっているのは、母親の乳首だといっていい。
発生的にいえば
ロ(腔)と舌とは総腸管の入口に位置して
食べもの(乳児にとっては栄養としての乳汁)をとりこんでいる





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連関論 一 (生殖器の発生)

投稿 by kusamura on Thu Jul 09, 2015 4:40 pm




生殖性器は腎管の排出口に位置し、
腎器の末端のところで、体壁の筋肉や神経によって 管の壁からつくられたものといえる。
腎管の排出腔が発生史的に発達して膀胱ができる。
この膀胱の管の部分に 導管が流れこんで尿道をつくる。

その一方で管の床部がふくらんで
雄ではそこに勃起性の海綿組織が陰茎として形成され、
雌では受精の場が腎導管の内部にでき、そこに
陰茎の挿入と精子の注入が行なわれるようになる。
一方で外性器の勃起性の部分は陰核に集約される。

するとわたしたちは性器をその感覚によってかんがえれば、
ふたつに大別される。

ひとつは腎管から発達した内臓感覚に支配される内性器とその排出感覚
もうひとつは体壁の筋肉や神経の感覚(接触)に支配される外性器の部分とである。

性的な感覚(エロス覚)は このふたつの感覚の融けあった
排出の解放感と接触の快美感とからできている。


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連関論 一 (性器の感覚(エロス覚))

投稿 by kusamura on Thu Jul 09, 2015 4:41 pm




  性器の感覚(エロス覚)についてだけいえば、
雄の精管をとりまく神経叢は 尿道と合流するところで
膀胱や直腸の神経といっしよに骨盤の底にひろがり、
尿道をささえる陰茎の海綿体をとりかこむ。
精子が充満すると運動をおこし、
それが管の壁の律動する収縮をおこし、射精がおこる。

この収縮する律動
雌性の導管でもゆるい形で、雄性より持続的におこる。
これがオルガスムスとみられる。
だがこのエロス覚は壁の接触刺戟だけではなく、
骨盤の迷走神経によって脳の中枢と連結して
体壁の感覚としてのエロス覚としても生じる。
いいかえれば外性器にかかわるのだ。

内性器としてみれば雄性と雌性の性器は、
腸管系の排出機構の末端にある内臓管だが、
発生的には陰茎の海綿体の筋肉、上皮など体壁の突出物になっている。

そして この体壁系の陰部神経の感覚の末端は
陰茎の亀頭の裏がわのところに集中している。
この神経が性交の接触感からくる興奮を精管の神経叢に伝え、
その頂点で射精をうながす。

雌性では性交のとき
外性器の感覚が集約される陰核は性交のルートからはずされる。
そして骨盤の底に口をひらいた内性器が、
入ってきた陰茎を拡張された感覚として腔がとらえ
子宮、卵管、膣などの全体に収縮や痙攣をうみだし、持続的な痙摯がおこる。

雌性のこのようなオルガスムスは、
陰核を中心にした外性器を刺戟するだけでもおこることになる。
これは雄性のオルガスムスが陰茎の亀頭の裏がわを中心に刺戟することでおきるのと
おなじだといえる。
  この性的な器官におこる過程は、本来の機能がそうであるように性的な過程だということは言うまでもない。
だがこれを
共時的におこる内性器による精子の受容(摂取)とその排出としてかんがえれば、
広義の栄養の受容と食行為とみることができる

この受けとるものと与えるものが同時に成立するという特質は
性的な行為の特質であるとともに、
食的な行為の起源にある特質だということができよう


性的な行為と
栄養を摂取することで生命を養う行為とが 同致する行為とみなせる としたら、
ここでしかかんがえられない。

また逆にここでは 
性は、生命の持続を分離した雌性と雄性のあいだで分担する行為として 食と等価
という言い方も成り立つといっていい。
また感覚的な言い方をすれぱ、
ここでだけ味覚とエロス覚とは同調するともいえる。


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連関論 一 (結)

投稿 by kusamura on Thu Jul 09, 2015 4:43 pm





 乳児が母親から乳頭を介して栄養を摂取する行為は、
そうしなければ生命が持続できない最小限度の
本来的な栄養を摂取する過程だ。

だが
母親が環界のすべてであるような場で
乳頭をロ(腔)のなかに挿入し、乳汁を吸うという行為で、
受けいれるものと与えるものとの行為の関係からみれば、
内性器がもたらす内臓感覚と
外性器に擬せられる母親の雄性の乳頭と、
雌性である乳児のロ(腔)と舌は、性行為とみなすことができよう。

乳児はじかに乳汁を摂取する行為において、
性の行為との同調をとげているのだ。



                                
 (「一」終り)

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連関論 (二)

投稿 by kusamura on Thu Jul 09, 2015 4:44 pm



               (ニ)


 母親と乳児との 授乳行為を媒介にした直接の栄養摂取 の起源の形と、
それに二重化された性的な行為の感覚(エロス覚)との同致、
その異常の実態に接近するために、わたしたちはなお、
口(腔)の周辺の感覚性についても、発生学の知識を与えられていなければならない。

 まずひとつは口(腔) から鼻(腔) へということだ。

動物は上陸して空気呼吸になるとともに
鼻窩が口(腔)のなかへ入りこみ、それとともに内部構造でも
左右の側壁からでてきた骨性の板が張りだして鼻中隔をつくり、
この鼻甲介によって鼻(腔)の表面積が飛躍的に拡大する。

そして呼吸で吸いこまれた空気はここでいくつも分断され、
上の方は鼻(腔)の天井の嗅覚をつかさどる部分へ、
下部の吸気は鼻甲介で温められて後ろの咽喉部へ流れる。
いいかえれば鼻(腔)は感党門(嗅覚)と呼吸門のふたつの機能にわかれる。

発生時に原型をただせば、この鼻(腔)のふたつの機能は、
水の流れを感受する
ものだった。

 鼻(腔)が嗅覚機能と呼吸機能のふたつに分化したことは、
もともと魚類のように水流中の酸素を吸収し、
自然な空気呼吸のうちに酸素を摂取する
植物的な宇宙界のリズムのひとつだった自然な呼吸運動を、
個体の体壁系の感覚運動と融着させてしまったこと
を意味している。



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連関論 二 肺と呼吸(植物的な内臓系と動物的な体壁感覚系

投稿 by kusamura on Thu Jul 09, 2015 4:49 pm





 肺が 鰓腸の壁から発達し、分れてきた袋状の内臓だとすると、
肺の呼吸をつかさどってきたのは鰓呼吸をつかさどる延髄である。
これは、「鰓脳」ともよばれる発生的な根拠をもっている。 
これによって
鰓腸や肺のリズム、心臓のリズム運動は、おのずからまもられてきた。

だが発生学者にいわせれば
本来自然であるはずのこの呼吸運動は、
体壁性の動物筋肉にゆだねられ、その支配もうける
ようになっていく。

鼻(腔)は吸いこんだ空気を適温に温め、やわらげて肺に送りこむだけでなく、
嗅覚のよしあしに左右されるようになる。
いいかえれば、 
呼吸は感覚の支配によって停止されたり、
不髄意の臭気によってつまったり、心的な衝撃によって乱れたり、
病的なばあいには分裂病者にあるように、
人為的に呼吸を停止して自殺することができるようになる。
正常なばあいにはヒトは自分で呼吸をつめて自死することはできないと
されている。
だが分裂病の自殺者のばあいにはそれがありうる。

このことは呼吸作用本来の姿である植物的な内臓系の律動が
意志的に切断できるほど体壁系の感覚支配が乖離変貌したこと
を意味している。

この不可解な心の動きの支配は、いずれにせよ
呼吸のような自然な植物性の酸素摂取の器官にたいして、
感覚の筋肉支配が分離してきたところに根拠をおいている。

 発生学者三木成夫は、もっとラジカルなところまで言及している(「解剖学総論草稿」『生命形態の自然誌 第一巻』所収)。

ヒトの行動は身体運動や意志の働きもふくめて、
すべて呼吸の犠牲のうえに成り立っていて、
自然な呼吸を妨げることなしにヒトの身心の行動はありえない
 

というように。



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連関論 二(植物-内臓系,動物-感覚-筋肉・神経系

投稿 by kusamura on Thu Jul 09, 2015 4:52 pm




 呼吸のような生命維持のための自然な植物的な酸素摂取には、
代謝交換に対応する性的な自己交換の機能が対応している。
そうかんがえたとき、わたしたちは分裂病における前言語的な異常行動にも
微かに性感覚(エロス覚)の自傷作用の意昧を表象できそうにおもわれる。

分裂病者が死にいたるまで呼吸を停止できたり、自分の頚部を絞めて自死したり、
金だらいのなかの水に呼吸門を浸して自殺できたりするのは、
常人よりも意志が固く強大なため、我慢できてしまうからではない。
意志は呼吸代謝の作用と自己矛盾がきわまったときには、撤退できるにもかかわらず、
分裂病者は撤退の機構がこわれてしまっているため自死にいたることができると
おもわれる。
それならば意志の統御鼻(腔)や肺の呼吸作用とを結びつけているのは、
帰するところは植物的な内臓系
動物的な感覚をつかさどる体壁系の筋肉や神経と、脳中枢への伝達などが、
どこかで交叉できているからだといえそうだ。

またこの機構に異変をきたせば 統御の機構はくずれ、
いったん指令された行為は、
その行為の根拠である生命代謝そのものと矛盾するまで 続行されてしまう。
そうかんがえてもよいことになる。




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連関論 二 (呼吸-鼻)

投稿 by kusamura on Thu Jul 09, 2015 4:53 pm




 ここにもうひとつ肺の呼吸作用とかかわりのあることがあるとすれば、
鼻(腔)の嗅覚の機構と関連するものだ。

鼻(腔)に吸いこまれて気管へゆく空気の分流は、
ひとつは鼻甲介で適温に温められて咽喉の方へゆくとともに上部の
嗅覚部をとおる。

わたしたちが日常的に体験しているところでいえば、
呼吸器官のどこかに異常や病状があると、嗅覚はきわめて敏感になる。
たとえば肺結核とか喘息性の疾患がある個体は、これが体質と呼んでもいいほど
持続しているばあいには、一般におどろくほど嗅覚が過敏になる。

これを鼻(腔)をふくめた呼吸器官の自然な防御作用として理解すれば、
空気代謝にさまたげのある異物の異臭を嗅ぎわけ、これを避けるために
呼吸器系の病弱さを保護しようと嗅覚がふつうより鋭敏になるとかんがえることができる。
そして極端なばあいには幻嗅を誘発し、
ほんとうは存在しない臭気を嗅ぎとることで過剰な防護をとげようとする。

もちろん幻嗅はほかの幻覚とおなじように
呼吸器官の保護という目的といつも結びついているとはおもえない。
むしろ無目的で、恣意的で、偶然としか結びつかないとみなした方が、
現象のあり方には適っている。

この幻嗅の不定性、無目的な感覚的な浮遊性は、
呼吸器官による酸素摂取リズムの在り方と対応するのだが、その対応のリズムは
嗅覚は酸素摂取による生命の代謝にたいして、
対応する自己内のエロス覚の在り方に照応する
とみるのが、いちばんいいようにおもえる。
対象がなく自己内のエロス覚なので
無目的で浮遊する幻嗅がもたらされる基盤がありうる。




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連関論 二 (呼吸-鼻- 脳)

投稿 by kusamura on Thu Jul 09, 2015 4:54 pm





 呼吸は延髄(鰓脳)の呼吸中枢に統御されているのと同時に、
大脳の皮質にも統御されている。
これが脊椎動物一般に通じるものだとすれば、
この呼吸過程には嗅覚の過程が対応する。

嗅覚は
いわば呼吸に対応する体壁感覚の生命=性の起源(エロス覚)の
いちばん本質的なかたちなのだといっていいとおもう。

呼吸器官のどこかで定常状態が破られれば
嗅覚はそれに照応して鋭敏になる。
また吐く息と吸う息のリズムは乱れる。
さらに嗅覚は吸う息の異変を幻嗅として創出することができるようになる。

酸素摂取のための吐く息と吸う息のリズムが
とりもなおさず嗅覚にとって性的なエロスの過程なのだ。






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連関論 二 (結)

投稿 by kusamura on Thu Jul 09, 2015 4:55 pm




 
 呼吸を介してみるとすれば
自然な植物性の内臓呼吸を意志的に、あるいは意識的に
切断したり追いつめたりすることで得られるヒトの個体の心身の行動は、
どこまでも内臓呼吸を体壁の意識的な筋肉と神経につなげ
この意識的な呼吸の統御が優位になってゆく過程を、
ヒト的な過程とみなす
ことになる。
ヒトが呼吸作用を介してなにかを言おうとすれば、
それは人為的に呼吸が統御されたものを指すことになる。

わたしはここで禅(ZEN)の呼吸法をすぐに思いだすが、
これは呼吸器官のうちの
体壁につながる動物性の筋肉や神経で統御される感覚部門を遮断し、
もっぱら植物性の内臓呼吸だけの呼吸法に入ってゆくことにほかならない。

これによって禅(ZEN)は、
植物としての生命代謝だけによって宇宙的なリズムに同致する状態を
修練でつくりだすことで、心身の原初に円環しようとしているといえる。

もちろんその円環がどうで、なにを意味するかは絶えず問われなくてはならない。
ヒトは心身の健常を実現することが望ましいが、
心身の健常や原初の宇宙のリズムに覚醒して同致することのため、
その目的因をめざして生きるものではないからだ。

禅(ZEN)は
この植物性の原初の呼吸法を獲得することを自己目的としている
との指摘を回避するために、
死の超越の可能性といった課題を導入しようと試みてきた。
植物性の内臓呼吸だけの呼吸法は、たしかに
末端を天空と地面に開かせた植物の姿に似ている。

だがそれは
自然に宇宙リズムに同化できた〈死〉の状態の創出とは、
はるかに隔ったものだといっていい。

それでも植物性の呼吸だけの状態を人工的につくりあげる修練は、
分裂病やそれに類似した植物性の感覚と筋肉による呼吸の乖離から由来する
精神薄弱の現象を根底から絶ちきることを意味している。








                                    (*「二」終わり)

kusamura
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